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SDCalc
中級概念·8 min

変動係数(CV)の解説

変動係数(CV)、または相対標準偏差について解説。データセット間のばらつきを比較する際にCVとSDをどう使い分けるかを学びましょう。

変動係数とは?

変動係数 (CV)は、相対標準偏差 (RSD) とも呼ばれ、標準化された散布度の指標です。標準偏差を平均の百分率として表すことで、単位やスケールの異なるデータセット間のばらつきを比較するのに便利です。

データセットA:身長

平均:170 cm、標準偏差:10 cm CV = 5.9%

データセットB:体重

平均:70 kg、標準偏差:10 kg CV = 14.3%

標準偏差は同じ(10)ですが、CVを見ると体重の方が相対的にばらつきが大きいことがわかります。

CVの公式

変動係数

CV = (σ / μ) × 100%

σは標準偏差、μは平均です。標本データの場合はそれぞれsとx̄を使用します。

計算例

データ:12, 15, 14, 18, 11 - 平均 (x̄) = 14 - 標準偏差 (s) = 2.74 - CV = (2.74 / 14) × 100% = 19.6%

CVを使う場面

CVを使うべき場合

- 異なる単位のデータセットを比較する場合 - 平均値が大きく異なるデータセットを比較する場合 - 比例尺度(真のゼロ点がある)のデータ - 実験室での測定の一貫性評価 - 金融分析(ボラティリティの比較)

SDを使うべき場合

- データセットが同じ単位で、平均値も似ている場合 - 間隔尺度(気温など)のデータ - 平均がゼロまたはゼロに近い場合 - 絶対的な散らばりの情報が必要な場合

実践例

実験室の品質管理

分析化学では、CVが10%未満であれば精度は許容範囲とされることが一般的です。高精度の分析法ではCV < 5%を達成することもあります。
銘柄リターン標準偏差CV
株式A8%4%50%
株式B12%9%75%

株式Aの方がCVが低い = リスク1単位あたりのリターンが高いことを意味します。

CVの限界

重要な制限事項

- 平均がゼロのときは定義不能: ゼロ除算でCVは意味をなさなくなる - 負の値がある場合は問題が生じる: 誤解を招く結果になりうる - 間隔尺度には不適切: 摂氏・華氏の温度はゼロ点が恣意的